土用の期間を確認すると、
年に4回訪れる、立春・立夏・立秋・立冬の直前の約18日間をさします。
それぞれ「春土用」「夏土用」「秋土用」「冬土用」とも呼ばれています。
「土用」は「土旺用事(どおうようじ)」の略になります。
その意味は「土が旺(さかんに)なり用事(働き)をする」という言葉になります。
つまり、土が最も働く時期ということになります。
そんな土用の期間に避けたほうが良いこと、やったほうが良いことについてまとめました。
土用期間に避けたほうが良いこととは
縁起を担いで、「土用期間中はやめたほうがよい」という風習があります。
土を動かすことは避ける(土いじりなど)
土用の期間中は、土を司る神様が支配する期間のため、土を動かしてはいけないとされています。
具体的には、土いじり、草むしり、畑やガーデニング、造園などを含む穴掘りなどの行為、地鎮祭も避けた方が良いとされてきました。
現代でも新築する時の基礎工事や壁塗り、増改築などは土用期間を外して計画するという業者も多いようです。
ただし、土用の前にすでに着手した農作業や基礎工事、増改築についてはやっても良いと言われています。
どうしてもこの期間中に土に触れなければならない場合は、グローブをつけて作業すると良いでしょう。
新しく始めることはやめる
土用は季節の変わり目のため、体調を崩しやすい時期になります。
土用期間中は、転職、就職、結婚、結納、開業、開店、新居購入など、大きな契約や新しく始めることも避けた方が良いと言われます。
土用はそれぞれの季節の変わり目、そんな時は体調を崩しやすく気持ちも不安定になりがちなので、新しいことは始めず、静かに過ごした方が良いとされています。
場所を移動することをやめる(ダメな方角も)
引越しや新居の購入は避けた方が良いでしょう。
昔から土用期間中の移動は、どの方角も良くないとされてきました。
旅行や知らない土地への移動は避けた方が良いとされています。
特に「土用殺」方位への旅行は、誰もが共通で凶方位となるので、できるだけ避けましょう。
土用殺とは、土用の期間に「凶」とされる方位のことです。
土用の凶方位は、それぞれ次のようになります。
春土用は「南東」
夏土用は「南西」
秋土用は「北西」
冬土用は「北東」
この日は土を動かしても良い「間日(かんじつ)」
1年に4回、18日間も土を動かしてはいけない、といわれてしまうと、やりたいこともできなくなってしまいます。
そんな中でもこの日は土を動かしても問題ないといわれる日があります。
この日は土公神が天上に行く日で土を離れるので、土を動かしても問題がないと言われています。
土用のそれぞれの間日はこちらになります。
春土用:巳の日・丑の日・酉の日
夏土用:卯の日・辰の日・申の日
秋土用:未の日・酉の日・亥の日
冬土用:寅の日・卯の日・巳の日
土用の日にこれをやると運気が上がる
土用は身体も心も何かと不安定になり疲れが出やすい期間です。
そんなときは、無理に頑張らないで、いつもよりペースダウンしてゆっくり過ごしてみるのも良いでしょう。
温泉に入る
温泉・半身浴・散歩・マッサージ・体操・ヨガ・整体などで、身体を整えるのもおススメです。
「土用の丑の日」に薬草を入れた風呂に入る「丑湯」や、天然塩を入れる「塩風呂」などもメンテナンス効果があります。
恵方参りに出向く
その年の恵方(幸せを呼び込む方位)と言われる方位にある神社や仏閣へお参りする「恵方参り」へ行くと良いでしょう。
恵方参りはいつ行っても良いのですが、特に季節の変わり目に当たる土用期間にいくとパワーが高まると言われます。
吉方位で飲食する
土用期間に吉方位で飲食をすると、凶作用が緩和されるといいます。
九星気学の開運法の一つで、その日の吉方位が分かる「日盤吉方」などを活用するのも良いでしょう。
◆虫干しなど土用にまつわる作業をおこなう
夏土用はちょうど梅雨明けの時期にやってくるので、湿気やカビ、虫が気になる頃です。
そこで、昔から害虫やカビなどから衣類や本を守るために行われるのが「土用の虫干し」です。
晴れた日に風通しの良い場所に陰干しをして風を通します。
昨今はエアコンや除湿機のおかげでこのような風景は見られなくなりましたが、寺院では今でも行っているところがあります。
また梅干し作りに欠かせないのが「土用干し」。
梅干しは土用干しをすることで殺菌作用が働いて長期保存が可能になります。
色も鮮やかになり風味が増すので、夏土用の風物詩の一つです。
土用期間と縁起が良い食べ物とは?
◆春土用|4月下旬~5月上旬
毎年5月6日頃の「立夏」直前のおよそ18日間が、春土用となります。
春土用期間中の「戌の日(いぬのひ)」に「い」のつく食べ物や「白い食べ物」を食べると良いとされています。(戌の日とは12日に一度巡ってくる十二支の戌に当たる日のことです)
「い」のつく食べ物としては、いわし、いくら、いか、いちご、いもなどが挙げられます。
白い食べ物は、豆腐や白米、大根、かぶなどがあります。
◆夏土用|7月下旬~8月上旬
毎年8月7日頃の「立秋」直前のおよそ18日間が、夏土用となります。
夏の「土用の丑の日」は年によって変わり、十二支で日にちを数えるので、2度めぐってくる年もあります。
土用の丑の日といえば、うなぎを食べる風習が広く知られています。
この日にうなぎを食べるようになったのは江戸時代半ばからと言われています。
諸説ありますが、当時うなぎは秋から冬が旬で夏はあまり売れずお店が困り果てていたところ、蘭学者の平賀源内が「本日丑の日」と看板に書くことを助言したのがきっかけだったといいます。
そこから「うし」にちなんで、「う」のつく食べ物や、黒い食べものが良い、と言われるようになったそうです。
「う」のつく食べ物としては、うなぎ、うどん、瓜(きゅうり、すいか、かぼちゃなど)、梅干しなどがあります。
◆秋土用|10月下旬~11月上旬
毎年11月7日頃の「立冬」直前のおよそ18日間が、秋土用となります。
秋土用は「辰の日(たつのひ)」に「た」のつくものや「青いもの」を食べると良いとされています。
「た」のつく食べ物としては、玉ねぎやたこ、たけのこ、大根。
「青いもの」なら、さんまやさばなどの青魚が良いでしょう。
◆冬土用|1月下旬~2月上旬
土用の最初の日を「土用入」、終わりを「土用明」と言います。
冬の土用は寒の土用(かんのどよう)、冬土用とも言われ、丑の日は「寒の土用の丑の日」と言われています。
冬土用は、「未(ひつじ)の日」に「ひ」のつく食べ物や、赤い食べものが良い、と言われています。
「ひ」のつく食べ物としては、ヒラメ、ヒラマサ、ひじき。
「赤いもの」はトマト、りんご、パプリカなどです。
最後に
昔から「土用を制するものは運を制する」と言われます。
季節の変わり目でもある土用は、気が不安定になり、なにかとバランスを崩しやすい時季です。
四季に合わせて土用があるのは、そんな変わり目には「少し体を休めましょう」というサインかもしれません。
土用期間をうまく利用して、次の季節へ向けて充電できると良いですね。